2002 年 35 巻 p. 99-104
本稿では,CG 映像で構築された仮想都市に着目し,そこをドライブスルーした際の男女学生及び高年者の認知特性について比較・分析を試みた。その結果は,以下のようにまとめられる。1) 仮想都市の認知の正確さ(道路構成及び施設位置)は,男子学生が一番優れ,次に女子学生が続く。高年者は,学生に比べて劣る(男子学生と高年者の間には5%の有意差が認められた。)。2) 認知の正確さに差が現れた要因として,「記憶力」,「集中力」,さらに「心理的要因」があると考えられた。女子学生については「記憶力と方向感覚の苦手意識」が,高年者は「仮想空間に対する抵抗」が大きく影響したと推察できた。