効率的で環境にやさしい物流の実現のために,インターモーダル輸送が政策課題として着目され始めている.しかし,各国,各地域の政策目的,手段は異なっている.本稿では,EU,アメリカ,日本のインターモーダル・ロジスティクス政策を比較,分析する.
インターモーダル・ロジスティクスは,川上から川下までのサプライチェーンの最適なマネジメントおよび,混雑や環境上の問題を抱える多くの輸送手段の最適な利活用を目指している.本稿では,インターモーダル輸送を定義した後に,各国の同輸送分担率を比較した.さらに,各国のインターモーダル・ロジスティクス政策の目的,手段における類似点,相違点を明らかにした.その際,EUのマルコポーロ・プログラム,アメリカのインターモーダル結節点・プログラム,インターモーダル情報システム・プログラム,日本の都市,地域,国際ロジスティクス政策を検討し,それら政策実施の経験からの教訓をとりまとめた.