1962 年 15 巻 2 号 p. 105-109
目的
合成繊維における延伸率の大小によって, 荷重伸長曲線およびポアソン比が変化することについて研究し, あわせて延伸加工による内部構造の変化をも考察することを目的とした.
成果
(1) 延伸率の増加にともない, 荷重伸長線図の傾斜すなわち弾性係数が増す.
(2).延伸率の増加にともない, ポアソン比は減少する.
(3) 伸度 (常温伸長による) の増加とともに, 各伸度レベルにおけるポアソン比は減少する。
(4) 低延伸領域 (延伸率2.5倍以下) ではポアソン比が0.5より大きな値を示し, 高延伸領域 (延伸率3.0倍以上) では反対に0.5より小さな値を示す.
(5) 低延伸領域では伸長により体積が減少し, すなわち密度が増大し, 高延伸領域では反対に体積が増大し, 密度が減少することがわかった.