繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
篠巻ボビンの引出張力
三浦 義人川端 季雄
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1955 年 8 巻 9 号 p. 614-619

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抄録

研究目的ボビンクリール上に置かれた篠巻ボビンから引出される粗糸の張力を測定すると共に粗糸の荷重一伸び綜図を求めて, クリールから牽伸ローラに至る間の粗糸の不正ドラフトを検討する.研究結果粗糸は篠巻ボビソからガイドロッドを1本又は2木通るか, 或は全然経ずにトラバースガイドに入る.ロッドを経ない場合の引出張力Tに粗糸とロッド間の摩擦力を加えたものがロッドとガイド間の張力である.Tは一応計算上から求め得るが, 実測値に比べると篠巻からの粗糸の引出角 (解舒点を通る水平面と粗糸とのなす角) が大になる程実測値は大ぎく, 又実測値自体の変動が甚しい.引出角によって張力が異なるから一篠層内におけるボビン上下端の張力が等しくなるようなロッドの高さはボビンの下部からボビン長の%位になる.各篠層における最大ドラフトは殆んど変化なく, 現在使用されている篠巻をラージパッケージ化することは張力の面のみからみると十分可能であろう.

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© 社団法人日本繊維機械学会
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