繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
振動法による繊維のデニール測定について
岡村 勲藤本 枝太
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1955 年 8 巻 9 号 p. 625-630

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抄録

研究目的弦に張った繊維に横振動を与えその共振状態から繊維のデニールを測定し, デニールの不均一性からみたいろいろな場合の現象を検討し, 釣一な製品を作るための一つの指標とした.研究結果弦振動による繊維のデニールの測定は一般に次式で表わされる.den=T9・105/4l2N2ここでTは弦にかけられた張力, lは弦の長さ, Nは弦の共振周波数である.この測定法によって得られた結果から次のことがわかった.1.スフの単繊維のデニールのむらは紡糸口金の良否, 使用時間等に関係する.2.単繊維のデニールむらの差は染むらの原因となる.3.断面法によるデニールむらは振動法よりも一般に大きく表われる.4.単繊維の見掛けの強力に及ぼすデニールの影響はデニールむらの程度により異なる.5.紡糸中のビスコースポンプの種類及び状態は繊維の長さの方向におけるむらに関係する.6.ビスコースの熟成は繊維の均斉度に効果がある.

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© 社団法人日本繊維機械学会
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