繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
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クラーク法による曲げ剛さ測定の理論
篠原 昭武捨 貴昭
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1978 年 31 巻 11 号 p. T153-T157

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抄録

目的 JIS規格されているクラーク法による布や紙の曲げ剛さ測定の理論的解析を行い, これから求まる測定量に物理的な意味も与えることを目的とする.結果 材料を完全弾性体のヘビーエラスチガと仮定し, 転倒する臨界角と臨界長さとの関係を導き, 角度45°で転倒する長さLとbending lengthとの比が約2.84になることを見出した.これはクラーク法で左右の転倒角の和が90°になることに対応するもので, 実験的に求めたLを2.84で除すとbending lengthになることがわかった.これは従来Lを剛さの尺度としていたのに対し, 物理的な意味を与えたことになる.さらに紙および市販織物について長さと臨界角の関係を測定した結果では, かなりのばらつきがあるにもかかわらず, 理論的な曲線に近いプロットが得られることがわかった.41.5°カンチレバー法で求めたbending lengthとよい相関を示すが, カンチレバー法より約10%小さな値になることがわかった.

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