1987 年 40 巻 7 号 p. T69-T74
目的 既報において提案したモデルは, 適用範囲が成人女子に限られた.本報ではこれを成人男子 (45~54歳) に拡張することの可能性を検討し, その問題点を調べ, 男女の差を明らかにする.成果 1.所持枚数モデルについては, 31品目中の12品目が実測値と不一致であった.不一致の原因を調べ, 所持枚数の最も多い階級に問題があることを知った.2.寿命モデルについては, 9品目の寿命が推定不可能であった.その原因を調べ, (1) 実測値が取得年3年以内に限られたこと, (2) 平均所持枚数の少ない品目で測定値のばらつきが大きかったこと, を知った.3.成人女子と成人男子の比較については, (1) 所持枚数モデルの適合性は男子の方が低いこと, 男女共通の品目では適合性も類似であることを知った.又 (2) 寿命の比較については, 男女のほぼ一致するものが多い (69%) こと, 一致しない品目は寿命が長いこと, を知った.