繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
Print ISSN : 0371-0580
ISSN-L : 0371-0580
コンピュータ画像解析による織物欠点検出機構及び欠点処理
(第1報) 透過光によるパイル織物の入力画像
西松 豊典酒井 哲也
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 43 巻 4 号 p. T25-T33

詳細
抄録
目的 イメージセンサーであるCCDカメラ及びコンピュータ画像処理装置を用いることによって, 凹凸感のある織物 (本研究ではパイル織物を用いた) の織物欠点を検出する織物欠点検出システムの試作を行った.そして, このシステムを用いて織物欠点の有無状態を検出する方法について考察を試みた.成果 (1) イメージセンサーであるCCDカメラによって織物欠点を撮像されたアナログ画像は画像処理部でデジタル画像にA/D変換されたのち, そのデジタル画像について平滑フィルター化処理, 疑似カラー表現を行うことによって、織物正常部分と欠点部分とを明確に分離できることが明らかになうた.(2) 本研究で用いた織物正常像上の雑音 (たて及びよこ方向の最大画像素値が7×7画素で, 最大画素が画像全体に占める割合が0.02%) についてモザイク処理を行った場合, フィルタ下領域が雑音の最大画素値の2倍以上になると全ての雑音が除去できた.(3) 織物正常像についてはメディアン処理より平均化処理の方が小さいフィルター領域並びに少ない繰り返し処理回数によって雑音が除去できる.織物欠点像の場合, 小さいフィルタ―領域並びに少ない繰り返し処理回数においては平均化処理の方が有効であるが, 大きいフィルター領域ではメディアン処理の方が帯状分布の欠点検出に有効であることが明らかになった.
著者関連情報
© 一般社団法人日本繊維機械学会
次の記事
feedback
Top