1991 年 44 巻 12 号 p. T260-T267
目的 クレープのシボ発生機構を明らかにするため基本的な力学解析と実験を行う.成果 (1) 引っ張りとねじりを同時に受ける細長い円柱状弾性体の基本から高次にいたる座屈時の張力とねじりモーメントの関係および座屈時のたわみ曲線を微小変形下で両端球節と両端固定の場合について導いた.(2) (1) の両端固定時の座屈形についてゴム糸を用いて実験を行い, たわみ曲線が計算値に近似することを確かめた.このなかで基本座屈では33%の比較的大きい収縮時においても計算値と近似することが分かった.(3) ゴム糸に撚りをかけて織物を作成し, 実際のクレープと類似のシボが発生することを確認した.