1993 年 46 巻 11 号 p. T233-T238
目的 羊毛をプラズマ処理することによって, 防縮性を付与できるが, 同時に羊毛表面に存在する硫黄のジスルフィルド結合が切断される.しかし, 実際の収縮は水中で起きるたあ, 酸化した硫黄成分の水中での挙動を調べる必要がある.また, ウェットプロセスである化学的防縮加工の場合と比較した.成果 プラズマ処理を行うとS/Cは増加するが, カリウムtert-ブトキシド (t-BuOK) 処理ではかえって減少する.しかし, プラズマ処理羊毛を水に浸漬すると, 酸化した硫黄は脱離してしまうことが分かっした.t-BuOK処理でも水に浸漬すると酸化した硫黄の一部が脱離している可能性がある.また, 残留した羊毛表面のジスルフィド結合の量は, プラズマとt-BuOKの複合処理時においても収縮性と相関があることが確かめられた.