繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
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男性の通勤スタイルと仕事に対する態度との関連
矢尻 世津子高岡 朋子盛田 真千子小林 茂雄
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1995 年 48 巻 4 号 p. T95-T104

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抄録

目的 仕事中心から仕事と私生活の両立へと生活観が変化してきた今日, 仕事着としての役割が大きい男性のスーツスタイルに, 着用者の仕事に対する態度の違いがみられるのではないかと考え, スーツの着用実態と意識に関する調査を行い, その結果を基に仕事に対する態度との関連を検討した.
成果 1) 通勤時のスーツの着用実態を, 若年層と中年層に分けて調べた結果, 2グループともに, 従来の背広スタイルが根強く定着していた.若年層では, ソフトスーツスタイルの浸透もみられた.また, ノーネクタイスタイルはわずかであった.
2) 背広・ネクタイに対する意識からは, 若年層に比べ中年層の方が, 背広にみられる規範意識を重視していることが分かった.また, 仕事に対する態度との関連では, 伝統的な背広・ネクタイスタイルを抵抗なく受け入れている人は, 会社 (組織) の体制や職場の人間関係を重んじる傾向があることが推察された.
3) 通勤時のスーツスタイルを4タイプ (従来の背広, ソフトスーツ, ジャケット, ノーネクタイタイプ) に分け, 仕事に対する態度との関連を検討した結果, 従来の背広タイプは, 他の3タイプに比べ, 仕事を重視する傾向にあった.また, ノーネクタイタイプは, 権威への従順や尊敬といった考えに否定的であることが分かった.

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© 一般社団法人日本繊維機械学会
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