抄録
ドッシーは医学・医療を歴史的に、第一段階の身体医学・医療、 第二段階の心身医学・医療、スピリチュアリティの介在を認める 第三段階の医学・医療に分類している。一方、池見はbio-psychosocio-eco-ethical medical modelを提唱し、心身医療のゴールは実 存的な目覚めであり、自我を超えたスピリットへの超越と東西心 身アプローチ融合の必要を説いた。 我々は、プロセス指向心理学による「身」に対する多次元的ア プローチ(レインボー・メディスン)を導入することで第三段階 医学・医療を試みている。「自我」主体の「因果性」に基づく西洋 的心身医療と、「気づき」主体の「共時性」に基づく東洋的身心ア プローチを融合することにより、「心(マインド)」と「身体(ボ ディ)」の相関を扱う「心身医学」から、「魂(スピリット)」と 「身」の相関を扱う“魂身医学”へのパラダイムシフトが実現され ることが示唆された。