1988 年 1988 巻 33 号 p. 27-33
コイルばねを平行圧縮すると, 座屈荷重に達する前であっても横たわみを生じる. 軸方向圧縮量に比べると横たわみ量は大きなものではないが, コイルばねと他の機械要素とが近接して用いられるときには, 両者が接触することがあり, その接触の繰り返しが重大な事故を引き起こすこともある. 本論文では圧縮コイルばねを, 剛性の等しい一本の棒とみなし, この両端に荷重とモーメントが作用することにより横たわみが発生するというモデルを提案した. また, このモデルを用いて計算するための資料として, 圧縮によるT. C. P. の移動量を実験により求めた.