設計応力τmax=1300MPaまで使用可能な懸架コイルばね用鋼を開発した。 材料は, 強度-靱性バランスを従来のばね材料に比べて高いレベルで両立させるため, 従来のSi-Mn鋼をベースにNi, Cr, Mo, Vを添加した低合金鋼である。 添加量は, L16実験計画法を適用して最適化を図った。 開発鋼の靱性は, 高硬度域において従来鋼の約2倍の衝撃値を有する。
この材料を用いてばね製造工程, 処理方法の面からも高応力化に対する検討を加えた結果, 軽量化率を少なくとも30%, 大きい場合は40%にも達する軽量ばねを実現することができた。