2012 年 16 巻 3 号 p. 119-122
ブナ科樹木の萎凋病菌Raffaelea quercivoraに対する外国産コナラ属樹種の感受性を明らかにするため,Quercus palustris,Q. robur,Q. rubra,日本産アラカシの各種苗木に対して,多点・1点接種を行った.その結果,多点接種における対照,無処理木では枯死が確認されなかったが,接種木ではQ. rubraのみで枯死が確認され,その枯死率は42%であった.また,枯死率は樹種間で有意に異なった.1点接種の接種木においてQ. rubraの接種部横断面における変色域の割合は,アラカシのものに比べ,有意に高かった.以上の結果から,R. quercivoraは外国産のQ. rubraに対して病原性を有することが明らかとなった.