樹木医学研究
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短報
小笠原群島固有の絶滅危惧種コバトベラの枯死原因
太田 祐子小牧 義輝出野 貴仁田中 健文槇原 寛服部 力升屋 勇人北島 博島田 律子
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2016 年 20 巻 3 号 p. 133-137

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抄録

コバトベラ(Pittosporum parvifolium)はトベラ科の木本植物で,小笠原群島父島にのみ生息する固有種である.現存数は10個体以下で,絶滅寸前を意味する絶滅危惧IA類に指定されている.2014年,その内の1個体が枯死したので,枯死材中の菌類,昆虫類,および枯死木の生息環境を調査し,その枯死原因を推定した.材からは腐生性と考えられるシロホウライタケ属菌類が検出され,材内には枯死材に営巣するオガサワラオオアリ(Camponotus ogasawarensis)の生息が確認された.これらはコバトベラの枯死には直接関与はしていないと考えられた.一方,幹に観察された多数の穿孔は外来種のマルクビヒメカミキリ(Curtomerus flavus)によるものであった.本種は衰弱した生木の師部を摂食することにより樹木個体を枯死させうる.今回枯死したコバトベラは,2009年頃から周辺樹木に被陰され,開花数が減少するなどの衰弱傾向にあったことから,今回の枯死原因は,コバトベラの衰弱によりマルクビヒメカミキリの加害が可能となり,樹幹を幼虫が食害したことに起因すると考えられた.

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