2020 年 24 巻 2 号 p. 87-91
日本国内に自生するブナ科樹木のブナ科樹木萎凋病菌Raffaelea quercivoraに対する感受性を明らかにすることを目的とした.感受性が不明なアベマキ,カシワ,ナラガシワ,クリ,アカガシ,イチイガシ,シラカシ,ツクバネガシ,ツブラジイの9種と感受性が高いミズナラとコナラ,感受性が低いアラカシとスダジイの苗木に対してR. quercivoraの1点接種を行った.その結果,アベマキとカシワ,ナラガシワ,クリの接種部の横断面における非通水域の割合は,ミズナラやコナラとは有意差は認められず,アラカシやスダジイより有意に大きかった.したがって,これらの樹種はR. quercivoraに対し感受性が高いことが示唆された.