抄録
本研究は,学習者の意思が働いて発展3 状況註が展開していく自律的発展型授業註の実現と普及に向けた研究の一部である.本稿では,数学教師の知識獲得過程に関する課題を明らかにし,教員研修の理論的枠組みに向けたアイディアを提案することを目的とする。
まず,新たな課題への対応として実施される集合型研修に着目し,その課題の分析から「問題意識」「知識形成過程」「知識の更新」の3 点を析出し,新たなTTP開発の視点とした。さらに,3 つの視点について,問題解決や思考・理解に関する知見を基に検討し,TTP 開発に向けた理論的枠組みの基盤となるアイディアに整理することができた。また,これを推し進めるためには,メンターによる心理的安全性の保障が必要との考えに至った。
今後は,その有効性を明らかにするとともに,教師の意識がどのように変容し,どのようにするとMKT(後記)を実行することが可能かを明らかにしていくことが必要である。