2025 年 53 巻 2 号 p. 79-84
本研究では踏圧条件下でバミューダグラスの生育に必要な光量の基準値を明確にすることを目的として, 室内生育実験を行った。実験は日照不足による生育不良を発生させやすい6月と10月を想定した気温と湿度の条件で行った。
TifGrandはNDVIが0.8程度で飽和化する傾向がみられたことから, NDVIが0.8あれば光量不足による地上部の緑度の不良を発生させないと推測した。そこで, ロジスティック回帰からNDVIが0.8になる日積算光量を求めた結果, 10.2∼14.4 mol/m2/dayとなった。本研究ではこの値をTifGrandの地上部の緑度を保つのに最低限必要な日積算光量の基準と推測した。
一方で, TifGrandの乾燥重量はNDVIと異なり, 日積算光量が高いほど, 飽和化せずに値が大きくなる傾向がみられた。そのため, グラウンド内になるべく日照を取り込もうとするスタジアム設計時の工夫や補光装置による光の供給はグラウンドの品質向上に資する可能性があると推測される。
6月想定条件のTifGrandは, 踏圧の有無によって地上部の乾燥重量の近似直線の傾きの差が地下部の乾燥重量の近似直線の傾きの差よりも大きかった。一方で, 10月想定条件は踏圧の有無による地下部の乾燥重量の近似直線の傾きの差が地上部の乾燥重量の近似直線の傾きの差よりも大きかった。これは6月想定条件と10月想定条件の気温の差によって, 踏圧の影響を受けやすい場所に異なる傾向があったと推測される。