本研究では踏圧条件下でバミューダグラスの生育に必要な光量の基準値を明確にすることを目的として, 室内生育実験を行った。実験は日照不足による生育不良を発生させやすい6月と10月を想定した気温と湿度の条件で行った。
TifGrandはNDVIが0.8程度で飽和化する傾向がみられたことから, NDVIが0.8あれば光量不足による地上部の緑度の不良を発生させないと推測した。そこで, ロジスティック回帰からNDVIが0.8になる日積算光量を求めた結果, 10.2∼14.4 mol/m2/dayとなった。本研究ではこの値をTifGrandの地上部の緑度を保つのに最低限必要な日積算光量の基準と推測した。
一方で, TifGrandの乾燥重量はNDVIと異なり, 日積算光量が高いほど, 飽和化せずに値が大きくなる傾向がみられた。そのため, グラウンド内になるべく日照を取り込もうとするスタジアム設計時の工夫や補光装置による光の供給はグラウンドの品質向上に資する可能性があると推測される。
6月想定条件のTifGrandは, 踏圧の有無によって地上部の乾燥重量の近似直線の傾きの差が地下部の乾燥重量の近似直線の傾きの差よりも大きかった。一方で, 10月想定条件は踏圧の有無による地下部の乾燥重量の近似直線の傾きの差が地上部の乾燥重量の近似直線の傾きの差よりも大きかった。これは6月想定条件と10月想定条件の気温の差によって, 踏圧の影響を受けやすい場所に異なる傾向があったと推測される。
この記事は日本芝草学会2024年春季大会 (山梨大会) 校庭芝生部会における朝野の発表資料を基に藤崎が加筆補完し, 編集したものである。
要点は, ①温暖化に対する芝生の効用, 特に地表面温度について, ②校庭芝生化の心理社会的な阻害要因と解決の糸口, ③NPOなどの地域住民による芝生管理活動の維持のための留意点である。
近年, 沖縄県内の芝生において, トロピカルカーペットグラスが自然発生的に侵入し, ターフを形成している状況を見かけるようになった。わが国において本種の報告例や栽培に関する情報が少ない。川平系統, 平久保系統および東村系統の葉形態を比較したところ, 平久保系統と東村系統は類似した形態を示したが川平系統は葉伸長が長く葉幅が狭い傾向が見られた。また, 種子発芽試験では, 穂の上部にある種子が下部にある種子よりも高い発芽率をしめし, また, 取り撒き種子よりも追熟種子の方が高い発芽率を示した。さらに, 選択制除草剤の感受性試験より, シバゲンやバサグランなどの適用が示唆された。