芝草研究
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浸透活性剤オスマックを用いたフェアリーリングの防除
―小豆島カントリークラブに発生したフェアリーリング―
石破 知加子森口 幸治谷 利一近藤 芳史
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1982 年 11 巻 1 号 p. 61-66

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抄録
芝地に発生するフェアリーリング (Fairy ring, 病原菌Lepista sordada Singer) の防除試験をTPN剤 (ダコニール) ならびに浸透活性剤 (オスマック) を用いて小豆島カントリークラブ・パッティンググリーンで行なった。
1) ダコニール単用 (250倍) , ダコニールおよびオスマック混用 (最終濃度, ダコニール250倍, オスマック250倍) で1980年5月19日より3週間間隔で3回処理し, 病斑帯ならびに病原菌の消長を調査したところ, いずれの区も処理直後に病斑帯および病原菌の消失が認められた。しかし, 処理終了1ケ月後の調査では, ダコニール単用区で病原菌が再度出現した。
2) 処理後約1年目の調査ではダコニールとオスマックの混用区では病斑帯は出現せず, 病原菌の生存も全く認められず, 完全に治癒されたものと判断された。
一方, ダコニール単用区では病斑帯が出現し, 病原菌が検出された。
以上よりフェアリーリングの防除には, 土壌中のルートマットならびに病原菌菌そうへの浸透力をもった浸透活性剤オスマックの利用が有効であると考えられる。
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