芝草研究
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尿素施用によるベントグリーンにおけるダラースポット病の防除効果
梅本 清作家寿多 正樹真行寺 孝青木 孝一
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1995 年 24 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

窒素肥料の種類および施用方法とダラースポット病に対する防除効果との関係について試験を行った結果, 興味ある結果が得られた。その概要は以下のとおりである。
1.各種窒素化合物等の成分を含有するPSA培地上でダラースポット病菌を培養した結果, 窒素肥料成分の濃度が高まるにつれて菌糸の生育が抑制され, 炭酸アンモニウムは重量/容積で0.5%, 尿素では5%以上含有している場合は菌糸の伸長を完全に阻止した。
2.ダラースポット病が多発しているクリーピングベントグラスのグリーン用苗ほ場で, 各窒素肥料の窒素成分が10a当たり5kgとなるように処理した。二つの方法で処理を行い, 散布処理では窒素成分が2.5%となるように水に溶かし, 手押し式噴霧器で0.2L/m2を処理し, 灌注処理では窒素成分が0.17%となるように水に溶かし, じょうろで3L/m2を処理した。処理を1992年6月11日に開始した結果, 両処理とも尿素の防除効果は対照のべノミル水和剤2, 000倍液散布とほぼ同等であった。

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