芝草研究
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ダイアジノンマイクロカプセル剤の芝コアリング時処理によるドウガネブイブイ防除
三蔭 外茂治西谷 健米川 努木村 正一今田 貴之
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2000 年 29 巻 1 号 p. 32-37

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抄録
土壌中に生息するコガネムシ類幼虫を薬剤を用いて効率的に防除する為には, 薬剤を土壌中に処理することが必要である。本報告では, ゴルフ場で一般的に行われているコアリング作業の直後にダイアジノンマイクロカプセル剤 (ダイアジノンSLゾル) を散布し, 薬剤を効率的に土壌中に処理することができる方法を検討したので, その結果について報告する。
コアリング作業後に各種条件を変え薬剤を処理し, 処理80日後にドウガネブイブイ幼虫を接種してその防除効果を調査した。その結果, コアリング径12mm区が6mm区に比べ高い防除効果を示し, 散布液量2l区が1l区に比べ効果が高く, 散布角度は芝に対して直角の場合が水平の場合に比べ高い効果を示した。また, 散布前あるいは散布後の散水区 (3l/m2) はいずれも, 散水を行わない場合に比べ高い防除効果を示した。
さらに, 上記の各試験区においてダイアジノンの土壌残存量を分析した結果, 上記の条件において高い防除効果を示した区ではドウガネブイブイが生息する1cm以下の土壌中のダイアジノン濃度が高かった。
これらのことから, コアリング作業後に上記の方法を組み合わせることにより, 6月上中旬にダイアジノンマイクロカプセル剤を処理すれば1年を通じてコガネムシ類の幼虫を防除できるものと考察された。
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