芝草研究
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Zoysia tenuifolia Willd.の形態学的特性
赤嶺 光川本 康博石嶺 行男倉持 仁志一前 宣正
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2005 年 33 巻 2 号 p. 122-126

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抄録

1) Z.tenuifoliaの種生態を明らかにする一環として, Z.tenuifoliaおよびZ.matrella計35系統の葉形態を調べた。各系統の葉幅は0.29~1.86mmの間にほぼ連続的に存在し, 葉幅による種の区別は困難であった。
2) 葉身の形態では, 内折したもの, 内折状から扁平に展開したもの, 葉辺を内巻きまたは湾曲したもの, 明らかな扁平状のものが見られた。これらは, 内折状と内巻状の2つの葉型から派生し, それぞれZ.tenuifoliaZ.matrellaと考えられたが, 判別は紛らわしいものであった。
3) しかし, 幼葉の断面形態を見た芽型では, 内折状と内巻状の二型に分かれ, 前者がZ.tertuzfolia, 後者がZ.matrellaと芽型の違いにより明確に区別することができた。
4) この基準で35系統を分類したところ, Z.tenuifoliaは従来の区分通り葉幅1mm以下の範囲内にあったが, Z.matrellaでは, 従来の区分よりも狭い葉幅で0.5mm程度の系統まで存在することがわかった。
5) Z.tenuifolia12系統問における形態変異を調べたところ, 特に葉身長, 節間長および出穂茎長の変異が大きく見られた。また, いずれの形質においても市販のビロードシバ栽培種がほぼ最小値を示し, 宮古島系統が最大値を示した。

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