芝草研究
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寒地型芝生の造成・管理・利用に関する研究
第1報 寒地型芝地造成の実際
大原 洋一
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1975 年 4 巻 2 号 p. 21-26

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抄録

寒地型芝草による短期芝草造成ということで記述したが, 主な点を要約すると
i) 有機質資材としては熟度の進んだ堆肥の施用がもっとも理想的である。
ii) 早期オープン, ノータッチプレーにするには床土工事に細心の注意を払い整地することが大切である。
iii) 土壌分析にもとずき施肥設計を立て地上部はもちろんのこと, 地下部の根の伸長にも影響が大きいので, 肥料の種類, 施用量決定には充分配慮する
iv) 種子選定には純度の高い, 適応性のあるものを組合わせる。
v) バンカー内の砂の質も, そのコースの良悪の一つの決めてであるので, 吟味を要する。
vi) 寒地型芝草でも, その設計, 管理いかんによっては, ライの良いノシバに近い状態を保てることを確認した。
vii) どこのゴルフ場も同じであるがコース管理の合理化は頭の痛い問題であるが, 当コースはできるだけ少人数で管理できるようあらゆる面で配慮した。
帯広畜産大学での数年間の試験を基礎にして寒地型の芝草を出来るだけ理想に近い形でゴルフ場に反映できるよう, アイデアを提供した。
幸い帯広国際カントリークラブでは理事長以下, 経営者, 従業員が熱心なこともあり, 今のところ, プレーヤーからの評判も上々で, 現在, 会員数も1, 000名を越え, 早くも本年7月1日よりノータッチプレーでプレイできるようになっている。
今後も寒地型芝草に関する, あらゆる問題を検討し北海道における芝草研究の基礎資料とする期待をもっている。

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