芝草研究
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ベントグラスの生態に関する研究
大原 洋一沢田 壮兵松本 忠司
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1978 年 7 巻 1 号 p. 35-40

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抄録
ベントグラス草種のアストリア品種を用いて分けつを中心とした形態実験を実施し, 次のことが判明した。
1) 分けつ数は播種後, 経時的に増加し, 高温にもあまり左右されない。播種量の少ない程, 分けつは旺盛で刈高は一般に低刈り程, 良好であった。遮光による影響もあり時間がたつにつれ, この差は広がるものと考えられる。
2) 茎一本当りの葉数は分けつの活発な区ほど少なく, 刈取りの高さ, 遮光による影響はあまりなかった。
3) 伸長量は播種量によって特徴的な推移を示した。すなわち少播種量区は伸長の方向が横であり, 多播種量区は上へ伸長した。刈高による影響も顕著で高刈区ほど光合成が活発で伸長も大きい。生育初期は遮光区でも徒長により陽光区とあまり差はなかったが, 後半かなり伸長量が鈍化した。
4) 分散分析を各種の条件で実施し, その有意性を検討した。その結果, 表, 図おおよび圃場試験を裏づけるような信頼性の高い結果を得た。とくに密度と刈取りの高さが芝草の形態に与える影響が大きく, 播種月日, 光要因は今回の試験では明確な結論を見い出せなかった。
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© 日本芝草学会
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