芝草研究
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芝草の亜硫酸ガス抵抗性に関する研究 (第3報)
芝草の亜硫酸ガス抵抗性の温度条件の差異による影響について
北村 文雄松沢 泉
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1978 年 7 巻 2 号 p. 105-109

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抄録

イ) 本研究は, 芝草の亜硫酸ガス抵抗性の温度条件の差異による影響を明らかにするために行われた。供試芝草として, シバ類 (のしば) , ベントグラス類 (ハイランド・ベントグラス, ペンクロス・ベントグラス) を用いた。
ロ) のしばは本実験における亜硫酸ガス接触方法では被害がほとんど現われない。したがって本実験の温度条件ではその影響が認められない。
ハ) ハイランド・ベントグラスは高温条件下で葉に被害がみられたが, 低温条件下では被害を生じない。
本種では明らかに高温条件がその被害を大きくするということができる。
ニ) ペンクロス・ベントグラスはハイランド・ベントグラスと同様に高温条件下で被害が大きくなる。亜硫酸ガス処理前後に分けて温度条件を考えると, 高温はいずれにおいても被害を増大させ, 低温は被害を小さくする。また, 処理前中温条件のものは, 処理後も中温条件においた場合に被害が少ないことから, 芝草の生育適温範囲内では, 温度の変動が少ないことが被害の減少に結びつくようである。

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