芝草研究
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CAT, アトラジン混合剤の芝生適用性について
―特に芝生内に発生するカタバミ防除効果―
森中 定治富岡 博美白川 憲夫竹松 哲夫近内 誠登
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1979 年 8 巻 2 号 p. 159-164

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抄録
CATとアトラジンの混合剤の芝生適用性について, 特にカタバミ防除を中心として一連の試験検討を行なった。その結果を下記に要約する。
1) CAT, アトラジンのそれぞれ単用によるカタバミ殺草効果を検定した。アトラジンはCATの5倍程度の強い殺草力を示し, カタバミに対する効果は, CAT単用では300g/10a以上, アトラジン単用では80g/10a以上で安定した高い効果を示した。
2) CATとアトラジンの混合によるカタバミ殺草効果を検定した。本検定では, CATとアトラジンの混合は明らかに共力的殺草効果を示し, 最少の薬量で最大の効果を発現する薬量比はCAT: アトラジンが10: 1.9であった。また, CAT: アトラジンが10: 0.8~4.4の範囲であれば, ほぼ同様に共力的殺草効果が発現した。
3) CATとアトラジンの混合による芝生への影響を調査した。本調査では一部に僅かな葉先枯れが観察されたが早期に回復し, 他には影響はみられなかった。従って本実験では, CAT: アトラジンが10: 0.03~8の範囲かつCAT300g/10a+アトラジン40g/10a以内の供試薬量では, 特に薬害は観察されなかった。
4) CAT: アトラジンが10: 1の混合水和剤を用いて圃場での効果および薬害を検討した。本実験では, CAT125g/10a+アトラジン12.5g/10a区, CAT250g/10a+アトラジン25g/10a区, CAT500g/10a+アトラジン50g/10a区のいずれの区もカタバミ, メヒシバ, カヤツリグサ, スズメノカタビラ, キク科雑草などに高い効果を示し, また芝生への影響は全く観察されなかった。
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© 日本芝草学会
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