2001 年 21 巻 12 号 p. 151-158
本研究では,軽水炉の設計や安全解析に用いる解析コード中において,いまだ十分に解明されていない強制対流サブクール沸騰中の気泡凝縮特性に関するデータを取得することを目的とした画像計測技術を開発している.気泡凝縮特性を知るためには,気液界面積濃度や界面熱伝達率などの正確な評価が必要であるが,これらの現象が計測困難であるため,これまで正確な実験データはわずかであった.そこでデジタルビデオカメラとストロボ発光器を用いて画像処理計測し,気泡を回転楕円体近似することによって気泡体積と気泡表面積を計測する技術を開発した.この新たに開発した計測技術を強制対流サブクール沸騰流に適用し,蒸気泡体積と蒸気泡表面積を計測することにより,ボイド率分布,気液界面積濃度分布,Sauter平均気泡径分布,気泡個数分布および気泡界面凝縮熱伝達率を測定し,気泡凝縮特性に関する従来の研究と比較してその有効性を論じている.