抄録
本研究はMEMSマイクロせん断応力イメージチップにより,乱流境界層内のせん断応力を准2次元的に測定し,そのデータに離散値系ウェーブレット変換を施し壁面せん断応力縞構造のより詳細な抽出を行うことを目的としている.MEMSマイクロせん断応力イメージチップにより壁面せん断応力縞構造の時間空間准2次元分布が測定された.同データに離散値系ウェーブレット変換が施され,周波数帯域別にせん断応力縞状構造を分離し,各周波数レベルおきに壁面せん断応力の構造を可視化することができた.また,壁面せん断応力のエネルギー保有領域に相当するレベル0は主流の影響を強く受けること,また,慣性小領域に相当するレベル1と2により壁面せん断応力の縞状構造がより鮮明に可視化することができた.更に,レベル4と5の散逸領域である高周波数領域では粘性の影響が強く現れ,レイノルズ数が低くなるほど渦構造が散逸していく過程が可視化された.