可視化情報学会論文集
Online ISSN : 1346-5260
ISSN-L : 1346-5252
論文
二次元煙風洞による二重くさび翼型回りの可視化
樫谷 賢士山口 裕
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2003 年 23 巻 10 号 p. 100-106

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抄録

本研究では, 平面で構成された翼型の低速流れの空力特性を理解する第一手段として, 上下対称の二重くさび翼型と非対称な変形二重くさび翼型について, 煙線による翼回りの可視化と, 油膜法による翼表面流れの可視化を行いNACA0012翼型と比較検討を行った.
また, 煙線による可視化実験から揚力を算出するため, ポテンシャル理論を基本とした山名の方法を本風洞に適用できるよう修正した.
その結果, 修正された山名の方法により算出されるNACA0012翼型の揚力係数は, 翼回りの流れが定常と考えられる迎え角範囲において従来の実験値と良く一致し, 本煙風洞における翼型の揚力係数の検討に有用であることが明らかになった. また, 二つのくさび翼型とも, はく離泡が破裂すると翼上面の流れは前縁からはく離することや, 変形二重くさび翼型は二重くさび翼型より大きい迎え角まで揚力係数の線形性があることなどが明らかになった.

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© 2003 by the Visualization Society of Japan
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