2004 年 24 巻 2 号 p. 9-14
非混合性成層流体が鉛直加振され, 界面上に軸対称定在波が形成されるとき, 界面の上下に大規模な循環流が誘起され, その流れは一定の方向に向かう時間平均流れ(ストリーミング)を含むことを見いだした. 再循環流れの時間スケールは加振周期よりはるかに大きい. このような流れは, 安定成層した流体間の熱・物質伝達を促進する可能性があり, 応用面からも興味深い. 界面上に波が励起されるのは, 鉛直方向の加速度変動によるパラメトリック励振と固体壁面と流体との相対運動にともなう界面の変形のためであり, 比較的小口径の容器内の界面では後者の影響が大きい. 本論文では, 水と灯油の安定成層密度界面を固有振動数近傍で鉛直加振した実験を行い界面付近の流れを光学的に計測した結果について報告する.