本論文では,ボリュームデータを不透明な発光粒子の集合という離散モデルとして表現することによりアルファ合成およびソート計算を必要としない粒子ベースボリュームレンダリング法を提案する.本手法では,不透明属性を持つ発光粒子を,確率論的アプローチにより,利用者が与える伝達関数から推定される粒子密度分布に応じて発生する.そして,それらを画像面に投影することによってレンダリングを行う.さらに,本手法では,画像投影処理において粒子ごとの深さ情報の比較だけが必要とされるが,粒子半径を比較的大きく設定する,つまり各画素に1個程度の粒子が投影される場合には,ボリュームレンダリングの特徴である半透明表示が困難となる.このため,一つの画素に対して,複数の粒子が投影されるようにサブサンプリング処理を行い,最終画像生成段階において色情報の平均化処理を行う.その結果として,半透明効果を得ることが可能である.