抄録
本研究では、はじめにレジスタンス・プロセス・トモグラフィのマイクロチャンネルへの応用について基本コンセプトを提案する。それに基づきレジスタンス・プロセス・トモグラフィに適用可能なマイクロチャンネルを製作し、電流印加パターンと二相流の再構成画像との関係をシミュレーションして、マイクロチャンネルに適切な電流印加パターンを検討することを目的とする。本研究は次の結論を得た。レジスタンス・プロセス・トモグラフィに適用可能な石英板とプラティナ・ワイヤからなるマイクロチャンネルの製作に成功した。このマイクロチャンネルは、五つの断面を持ち、各断面まわりに12個の電極を配置し、全体60個の電極を備える。このマイクロチャンネル内の環状流と層状流に対して四種類の電流印加パターンを使って、シミュレーションを行った。画像再構成の繰り返し回数は4~6回で、相関係数0.68~0.7に収束した。環状流では層の厚さにかかわらず、全体的にトリゴノメトリック法が高い相関係数値を持つことが確認された。層状流では各電流印加パターンについて相関係数値の大きな差は現われなかったが、トリゴノメトリック法が比較的高い相関係数値を持つのが分かった。以上よりマイクロチャンネルのレジスタンス・プロセス・トモグラフィに 適切な電流印加パターンはトリゴノメトリック法である。