2024 年 44 巻 4 号 p. 8-15
本論文では,男性排尿の形態情報を評価する尿流計として,カラーレーザー光シートとカラーカメラを用いたビジュアルウロフロメトリーを提案する.この手法の最も重要な特徴は,従来の尿流計で評価していた排尿時間,総排尿量,尿流率に加えて,排尿の断面積や空間分散度,尿線数などの排尿形態に関する測定量を取得できる点である.下部尿路症状(LUTS)は疾患の原因に応じた排尿形態と関連しているため,排尿の形態情報を評価することで泌尿器科医が患者の症状をより良く理解できることが期待される.本手法では前立腺肥大症(BPH)などの異なる3つの模擬排尿モデルに対して尿流率の測定精度を実験的に評価した.さらに,本手法を用いることで尿線が2つに分割した排尿に対して,形態学的情報が取得可能であることを実証した.