本研究は,浅海域などの多方向流場に建設されている円柱構造物に対して,周辺の局所洗掘を抑制する「網状平板工法」の定量的な有効性を実験的に検討したものである.円柱構造物の表面に90°間隔で取り付けられた4枚の鉛直網状平板は,円柱構造物の上流側の馬蹄形渦,および,下流側のカルマン渦列の両方の大規模渦に対して,「破壊」あるいは「弱体化」といった顕著な効果を示した.また,3方向の接近流に対して,円柱構造物周辺の局所洗掘体積を測定したところ,40%以上の抑制効果が明らかになり,網状平板工法の有効性が確認された.