SrSe:Ce薄膜は青色薄膜EL素子の色純度を向上させる発光層材料として期待される。本研究では多元蒸着法によりSrSe薄膜を作製した。Sr及びSe原子の基板への到達粒子数の比が1:3の時、化学量論組成のSrSe薄膜が得られた。また、SrSe薄膜の構造特性は基板温度に強く依存した。X線回折等の結果から、400℃以下の基板温度で[100]配向を示し、基板温度の上昇に従って、その配向性は低下した。一方、結晶性は基板温度の増加と共に向上した。更に、多元蒸着によりSrSe:Ce薄膜を作製しその発光特性を検討した。PLスペクトル及びSrSe:Ceを発光層とする薄膜EL素子のELスペクトルいずれもCe濃度が低い範囲でほ約470nmにピークを持つ青色発光を示した。一方、Ce濃度の増加と共にスペクトルは長波長側ヘシフトした。