抄録
2眼式立体映像において、箱庭効果とは従来より指摘されている大きさの歪である。今回、立体ハイビジョンシステムを用いて、カメラ間隔、撮像距離、レンズの焦点距離などの条件を変えて、この歪に対して王観評価実験を行った。被写体としては、人がその大きさを判断しやすいと思われる画像として、女性のポートレイトを選んだ。その結果、2次元画像に比較して立体画像では被写体が小さく感じられる傾向が全般にわたって見られた。そしてその傾向は、カメラ間隔を広げるほど、また同じ大きさに映しだすならば、撮像距離が短いほど顕著になる傾向が見られた。しかし、スクリーン上での絶対サイズが大きければ、その傾向はあまり目立たないという結果も同時に見られた。