1994 年 18 巻 80 号 p. 33-40
ディジタル動画像を伝送する場合に可変長符号を用いた情報圧縮は欠かすことができない. しかし伝送路でビットエラーが発生した場合, たいていは受信データのシンタックスに矛盾が生じ可変長符号の同期を喪失してしまうので, それ以降復号ができなくなる. このような誤り伝搬に対処するため, 本稿では可変長符号の自己同期回復特性を利用した動画像符号化シンタックスを提案する. 提案方式では, 誤りが検出されても可変長符号の自己同期回復特性によって, 従来の符号化方式で復号できなかった部分を復号することができる. 計算機シミュレーションにより, 数〜数十kbps程度の超低ビットレート符号化においてこの方法が有効であることを示す.