家庭用VTRのサーボ方式の合理化を目的とし, 再生エンベロープ信号を用いたトラッキング制御方式とシリンダの回転位相検出方式を開発した。トラッキング制御は再生信号のレベル検出による山登り方式で行い, 定常速度偏差補正制御およびダイナミックモード制御の開発により山登り方式単独で従来方式同等の定常および過渡性能を実現した。シリンダの回転位相検出は, 再生エンベロープ信号波形からヘッドとテープの接触期間を求めて回転位相を検出する。検出用信号波形がトラッキング状態に依存しない検出方式の開発により高精度の検出を可能にした。いずれも専用の検出信号が不要であり従来使用していた検出器および検出回路を削減することができ大幅な合理化を実現した。