1995 年 19 巻 59 号 p. 19-24
人間は滑らかな輝度変化に対してもエッジを知覚する.今回我々は, 同心円状の滑らかな輝度変化を有するパターンをCRTに表示し, ぼけたエッジの位置決めをする視感評価実験を行なって, その評価特性の非線形性を明らかにした。本論文では, 輝度に対する非線形応答関数を組み込むことで, 線形オペレータであるラプラシアンガウシアンの出力のzero-crossingでは評価できない, ぼけたエッジ位置の知覚がよくシミュレートできることを示す.非線形関数については, 視覚メカニズムに基づき, 数種の関数を比較検討した.その結果, 対数関数や指数関数が良い結果を得た.さらに, エッジ位置の視感評価のばらつきを定量的に評価する枠組みを考え.予測式を導いた.