格子形構造を有するフィルタは, 低係数感度特性, 高速演算性, 次数可変が容易など様々な優れた特性を有することから, 種々の2次元4分の1平面格子形フィルタが提案されている。一方, 2次元信号のスペクトル分解には無限領域を有する非対称半平面を必要とするため, フィルタの設計に際しても非対称半平面の係数マスクをもつ2次元格子形フィルタを構築する必要がある。本論文では, 2次元非対称半平面格子形フィルタの新しい設計法を構築すると共に, 所望の2次元振幅特性を2次元格子形フィルタにより実現する方法を提案し, 更に同フィルタの安定条件の導出を行なう。また, 同手法の有効性を計算機シミュレーションにより検証する。