1996 年 20 巻 38 号 p. 5-10
本論文では、1枚の陰影画像による多面体の形状復元の唯一性を議論する。また、凹の多面体について、相互反射を手掛かりとして利用することによって、その形状を唯一に決めるアプローチを提案する。1枚の陰影画像による多面体の形状復元においては、角錐のような多面体の形状の解は一般的に唯一でないことを明らかにした。しかし、相互反射の存在する凹の多面体の場合、相互反射を、形状を決める手掛かりとして積極的に利用すれば、多面体の形状が唯一に決められる。従来厄介ものとして扱われてきた相互反射は、本論文では、形状を決める拘束条件として利用される。