1996 年 20 巻 68 号 p. 29-36
ニューラルネットワークを磁気記録の弁別に用いるニューロ弁別は干渉波形を学習させる事で干渉に強い性質が生まれ、高線密度弁別が可能となる。ニューロ弁別の課題の一つに位相マージンの問題がある。一般にセルフクロッキングを用いる弁別方式は雑音によってクロック位相ずれを起こす事があり、ニューロ弁別のクロック位相マージンを調べた。更に、位相がずれた波形を学習させると位相マージンが広がる可能性があり、シミュレーションを試みたところ位相マージン±3%のものが±7%に広がるという学習効果が得られた。また、通常の学習より高密度の波形を学習させると(高密度学習)、位相マージンだけでなく、弁別限界がK=4.1からK=4.8に向上するという複合効果が得られた。