美術教育学研究
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シュトゥットガルト教育実験工房のカリキュラムについて
―バウハウス以前のドイツにおける美術工芸のための工房教育
針貝 綾
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2016 年 48 巻 1 号 p. 337-344

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抄録

シュトゥットガルト教育実験工房(ヴュルテンベルク王立美術工芸学校教育実験工房)は,1901年に美術工芸学校に併設された美術工芸のための教育施設である。本研究では教育実験工房の教育システムやカリキュラム,教育方法を調査し,以下の点を明らかにした。教育実験工房は1902年に家具工房,金属工房,その他美術工芸の3専攻を設置し,1905年に陶器工房を開設した。教育実験工房では修了試験は行われなかったが,生徒たちはシュトゥットガルト手工業会議所で行われるマイスター試験を受験し,各種美術工芸のマイスター証明書を得た。1904年12月から教育実験工房では毎年2か月の間マイスター・コースが開かれ,マイスターのリカレント教育も行われた。また,教育実験工房は地域の産業や施設との連携を重視し,製造業者に図案や原型を納入する一方,地域の製造会社で働く徒弟を聴講生として受け入れ,教育を行った。

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© 2016 大学美術教育学会
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