美術教育学研究
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児童を対象とした立体造形ワークショップの実践
村上 佑介
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2020 年 52 巻 1 号 p. 337-344

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抄録

本研究は筆者が2018年に実施した小学生を対象とした立体造形ワークショップの模様を,児童の行動分析およびアンケートを基に考察し,授業外で行われる造形活動や,触覚を意識する題材が児童にどのような印象を与えるのかを導出したものである。実践では軟質発泡ポリウレタン製のチューブを使用し,子どもたち一人ひとりが素材からイメージを膨らませて“街”をつくり,それらを組み合わせて一つの“世界”を作り上げた。実践後に行ったアンケート調査により,チューブを使用した立体造形ワークショップは,子どもたちが触ることの心地よさを感じることができるものであり,図画工作科での制作活動と比較すると,子どもたちが新しい素材と出会い,より自由に制作できる場であった。その一方で,図画工作が苦手な子どもに対する素材選択や,達成感を高めるための適切な実施時間の検討の必要性といった課題も明らかになった。

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© 2020 大学美術教育学会
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