植草学園大学研究紀要
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レッジョ・エミーリア・アプローチの音楽創造活動への開発的試み(1)
縄文オペラ《加曽利貝塚物語》の創作過程を通して
川端 眞由美小池 和子渡邉 章三浦 達浩金子 功一
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2020 年 12 巻 p. 97-105

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抄録

幼児の造形活動の創造的取組を展開している「レッジョ・エミーリア・アプローチ」の手法を,創作音楽劇に応用するプロジェクトを2017 年から行っている。本プロジェクトは,幼児ではなく5 年生の児童が音楽劇を創作する1 年ごとの活動で,加曽利貝塚での多くの体験学習から湧き出た感性と創造力を駆使して紡ぎ出された物語と,5 千年前の人々の生活様式を想像して描いた音の形や図形から,オペラ研究家が子どもたちとの協議を重ねつつオペラの台本と音楽を創作したのが,縄文オペラ《加曽利貝塚物語》である。本研究では,2019年2月7日の初演後の振り返りの授業を通して,児童が1年間の授業で学んだことの報告をする。分析の結果,児童は,縄文オペラ上演に至る過程で,加曽利貝塚の歴史を深く学び,その学びを創作音楽劇の上演時の知恵や工夫に活かすだけでなく,千葉市若葉区の地域社会への関心も高めていた。

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