抄録
2006年4月からの介護保険制度改正と関連して、介護福祉士養成校における介護実習のあり方について、高齢者ケアについての先駆的な取り組みをしている団体による実践を参考に検討を加えた。今回の改正では地域に密着したサービスの提供が新たに創設されたが、現在の訪問介護実習においては十分に対応できていない現実がある。さらに今後の介護福祉従事者は、ただ単にサービスを必要とされる地域住民へ提供するのみならず、地域住民と協同しつつ行っていくことが求められている。その方向性についてひとつの実践団体を取り上げ、介護福祉教育に求められる介護実習のあり方とともに、学生自身の一人の地域住民、生活者としての経験を踏まえた介護実習が必要であることを示した。