2023 年 2 巻 3 号 p. 1-7
複雑化し不確実性の高い現在の環境において、持続可能な経済社会という公共価値を実現するためには、さまざまな要因によって動的に変化するステークホルダー間の関係性をいかに可視化するかということが重要な成功要因となる。地球環境の劣悪化、格差の深刻化など、多くの社会的経済的課題が立ちはだかっている現在、一つのセクターと組織だけでは、問題解決は不可能であり、協働とネットワークの構築が重要であることは疑いない。協働とネットワークをどのように効果的に構築するか。本稿は、政府セクターが公共ガバナンスのイネーブラーとして機能し、持続可能な経済社会を創造するためには、セクター・組織の有するミクロの目標を高価値の実現というマクロの目標に方向付けることが必要であると観点に立ち、公共ガバナンスにおける協働優位の重要性について検討する。