2017 年 12 巻 p. 72-83
本稿では,岡山県南部を事例に,都市圏と都市計画区域の範囲に違いが生じている実態を示し,都市計画区域の指定および都市計画制度の運用の地域差により生じる問題を明らかにすることを目的とした.
岡山・倉敷都市圏と岡山県南広域都市計画区域の範囲は一致せず,岡山県南広域都市計画区域は,形骸化している.岡山・倉敷都市圏内には,線引き都市計画区域と都市計画区域外が存在し,都市計画区域外では都市計画制度が適用されない.また,市街化調整区域内でも,岡山県南広域都市計画区域に指定された市町間に,小売店の立地に対する規制に地域差が生じている.さらに、中心市街地活性化基本計画を策定する際には,大規模集客施設の立地に対する規制の違いから市町間に地域差が生じる.